法律で厳しく副業が制限されている公務員でも、取り組むことのできる副業っていくつかありますよね。
- 農業
- 株式
- FX…
そして、今回のメインテーマである賃貸経営です。
賃貸経営も(不動産)投資のうちに入るので
禁止されていません。
公務員にとって賃貸経営が副業NGではない理由
賃貸経営が禁止されていない理由としては、
- 転勤している間、持ち家を賃貸にまわした
- 親などから不動産を相続して所有している
さすがにこのような事態は想定されるため、禁止はしていないんですね。
これらをいちいち懲戒処分していたらきりがありません。
賃貸経営とは?
まず、賃貸経営とは「アパートやマンションなどを保有し部屋を貸して家賃収入を得るもの」です。
初期投資などにお金はかかりますが、一度アパートなどの不動産を取得してしまうとあとは維持管理などをするだけで、毎月安定した収入が見込めるものとなります。
日中は働いている公務員にとって人気の副業の一つと言えます。
しかし、先ほども出てきましたが不動産は買って終わりではありません。
維持管理費用だけでなく、固定資産税や不動産収入による所得税もかかってきます。
そこで今回は、賃貸経営にかかる税金にはどんなものがあり、いくら支払うことになるのかお話します。
公務員の賃貸経営には制限がある!?
公務員に人気の賃貸経営ですが、取り組める範囲に制限があります。
賃貸経営で儲かったお金で、さらにアパートを購入するぞ!
その前に一旦ストップです!
軌道に乗ってうまく行くとどんどん規模を拡大したい気持ちも分かりますが、
ルールを知らずにいると懲戒処分される危険性もあるため、公務員の賃貸経営のルールをまとめていきます。
ルール①所有していいのは5棟10室まで
これは、「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」に書いてあるのですが、
- 独立した家屋が5棟以上
- 部屋数が10室以上
を所有、賃貸経営していると、もうそれは(不動産)投資ではなく自営(=副業)しているとみなされるのですね。
よって、これ以上を黙って所有・経営していると罰則の対象になります。
ですが、これ以上を所有・経営することも自治体によっては可能かもしれません。
もし5棟10室以上を所有・経営したいときは、事前に勤務先に許可の申請書を出しましょう。
各自治体で独自に規則を定めているところもあるので、人事の方に相談してみるといいでしょう。
許可が下りるかもしれません。
ルール②不動産の維持・管理は委託する
不動産の維持・管理は簡単ではありません。
- 清掃
- 修繕
- 空室対応
- 入居者同士のクレーム対応
などなど…さまざまなことが求められます。
これらを自分でこなしていると大家業をしているとみなされ、副業禁止規定に抵触し罰則の対象となります。
そもそも日中働いている公務員にとって、これらすべてをこなすことは現実的ではありません。
ですので、不動産の管理は管理会社に委託しましょう。
ルール③家賃収入の上限は500万円
こちらも前出の人事院規則に出ているのですが、部屋数が10部屋未満だとしても賃貸料収入の額が年額500万円以上である場合は自営しているとみなされます。
家賃5万円で計算したとしても、
5万円×12か月=60万円
↓
60万円×8室=480万円
8室が限度となります。
賃貸経営は計画的に、ということですね。
賃貸経営にかかる税金ってどんなものがあるの?
いざ賃貸経営を始める決意をし、不動産を購入しようとしたところでどんな税金がかかってくるか不安になりますよね。
ここからは、賃貸経営をしていくうえで避けては通れない税金についてご説明します。
➤固定資産税
こちらは、アパートなどの不動産を所有しているだけでかかる税金です。
計算式は固定資産税評価額×1.4%です。
例を出して考えてみましょう。
土地の評価額が800万円、アパートの評価額が1,000万円の不動産を所有している場合、
(800万円+1,000万円)×1.4%=252,000円
の固定資産税がかかることになります。
➤所得税
こちらは、賃貸経営で利益があがるとかかるものです。
このときの利益というのは、
家賃収入-経費=利益
のことを指します。
そして、所得税率は所得の総額によって異なります。
給与所得など別に所得がある場合は、全ての所得を合計して得られた所得金額を適用する必要があります。
こうして得られた所得に対応する所得税率を賃貸経営であがった利益に対してかけ算すれば、賃貸経営に対する所得税を計算できます。
給与所得=500万円、賃貸経営による利益=100万円、合計所得=600万円
所得600万円に対しての税率は20%です。
この20%を賃貸経営による利益100万円にかけます。
100万円×20%=20万円
が所得税としてかかります。
➤住民税
賃貸経営の利益に応じて住民税もかかります。
住民税には、道府県民税と市町村民税があります。
道府県民税は6%、市町村民税は4%と決まっているので、合計で10%です。
先ほど同様、賃貸経営による利益を100万円だと仮定すると、
100万円×10%=10万円
が住民税としてかかります。
この時点で、100万円の利益に対して50万円ほどの税金がかかることが分かりました。
上記の3つの税金だけで552,000円の税金を支払わなければいけない、という計算になります。
この他に不動産を購入したときにかかる税金があるので、次に記載していきます。
➤不動産取得税
こちらは、不動産を新規で取得したときのみにかかる税金です。
計算方法は、評価額に3%をかけて算出します。
この3%というのは居住用に対するもので、居住用以外(店舗など)は4%になります。
ただし、床面積が50㎡~240㎡の場合1室について建物評価額から1,200万円が控除されるという制度があります。
単純には計算できないので、市区町村役場の固定資産税担当への確認をおすすめします。
賃貸経営のさらなるデメリットとは?
賃貸経営は最初さえまとまった資金がかかりますが、購入したあとは安定的に、なおかつこちらは何もしなくてもある程度のまとまった収入が毎月期待できる魅力的な投資の一つです。
(全く何もしないというわけにはいかないでしょうが…)
ですが、買ったらあとはオッケーというわけにもいかなく、税金を払う必要があるということを認識していかなくてはいけないということや、
初期費用を除けば得られた利益の半分ほどは税金でもっていかれるという風に考えておいた方がいいかもしれません。
最近では、アパートの空室問題が目立ったりしています。
自分の購入したアパート・マンションがずっと空室にならないためにも、購入前に自分の目で実際に建物を見たり生活圏内の公共機関を視察するのも対策の一つであると思います。
また、管理会社を選ぶときも信頼できる管理会社を選ぶために慎重に比較する必要があります。
まとめ
賃貸経営と一口で言っても、税金や管理会社の選定など初期の労力は確かにいるかもしれません。
しかし、その後は軌道に乗れば安定的に収入が見込める投資法であることには間違いはありません。
老後の貯えや毎月の小遣いUPを狙っている方は取り組んでみる価値があると思いますので、選択肢の一つにいかがでしょうか?