現役退職後の夢に「海外移住」を検討しているサラリーマンの方も少なくないでしょう。
ただ、海外移住するにあたって知っておく必要がある知識も当然あり、
それを知っているのと知らないのとではコストを節約できるかどうかが変わってきます。
今日は、海外移住希望者が知っておくべき知識の一つ「日本非居住者」とはどんな立場かについて、
メリット・デメリットをお話したいと思います。
「日本非居住者」って?
- これから海外に引越しする人
- 海外転勤になった人
- 海外に留学する学生
- ワーキングホリデーを使う社会人
いらっしゃると思います。
こういった海外移住した方々が、日本に住民票を持っていると「日本居住者」として扱われます。
具体的には、
- 日本に住宅がある
- 現在まで1年以上居所を持っている
こういう方がそれに該当します。
逆に、
- 日本国内に住所がない
- 移住場所がない
- 居住所が1年未満しか住んでいない
上記のような個人が「日本非居住者」に該当します。
ここでの1年とは厳密には「183日以下」とされています。
1年の内183日以上、住所も家も無くなる人は日本非居住者となります。
住民票を抜くとどうなる?
家を持たないので住民税を払わず済みますし、
健康保険料の支払いが不必要になったりします。
何と言っても節税になるというのが大きいでしょう。
では、どれくらいの節税になるのでしょうか?
以下の部分では「日本非居住者」であることのメリットを取り得上げます。
「日本非居住者」のメリット
お金の節税になり、保険料の支払いが不必要になります。
詳しくご説明します。
「所得税」
国外の源泉所得に関して所得税を払う義務がなくなります。
日本では就職した企業は所得税を源泉徴収してから、給与を渡しています。
企業側は事前に徴収して国に所得税を納めています。
国外で発生した源泉は所得税を払う必要がなくなります。
「相続税・贈与税」
日本では親から子に相続する場合、相続税がかなり発生します。
しかし、日本非居住者の場合、免除となります。
条件に関してもう少し詳しくお話しします。
- 相続する人間と相続される人間が、両方5年以上海外に移住している
- 相続する財産が、海外資産(海外で持っている資産)である
この場合、相続に対する課税が一切かからないです。
「住民税」
支払っている税金額は住んでいる地域によって違いますが、
非居住者だと住民税を払う必要がなくなります。
前年度の所得額に対して毎年1月1日に住民票がある市区町村から課せられる税金となります。
海外に住んでいる場合は、1月1日に住民票を抜いていた場合、課税対象となりません。
しかし、1年の途中から転出の場合は1月1日時点での住所での住民税がかかります。
「健康保険」
健康保険を支払う義務もなくなります。
健康保険には加入しないという選択もできます。
そうする事で、毎月の支払いが免除となります。
法の抜け道として、
一時的に帰国した際に病院に行きたい場合は、一時的に住民票を入れると、保険証を発行する事ができます。
「免税制度」
日本でもパスポートの提示で、消費税分の免税のメリットを得る事ができます。
外国に住んでいることを証明するビザを提示する必要がありますが、
消費税分の免除のメリットがあります。
「日本非居住者」のデメリット
- 租税条約
- タックスヘイブン対策税制
- 国外送金
など、条約、政策の変更により、脱税と受け止められてしまう場合もあります。
パナマ文書の流出事件など、
タックスヘイブンなどの政策は変わる可能性があるので気をつけないといけません。
二重課税にも気をつける必要があります。
日本で一年の半分を生活し、残りの半分を海外で生活するという方は、二重課税が起きる可能性が有ります。
そういうリスクも考慮して海外移住を検討する必要があるでしょう。
後は、保険料の支払いは必要がなくなりますが、
その分、老後の国民年金の受取額が下がります。
ただ、帰国後に支払っていない期間分を納付するもできるので、老後の年金額を気にされる方は、支払いを検討してもいいかもしれませんね。
まとめ
知っていると知らないでは、こうも違うんですね。
無知はコストが余分にかかります。
様々な観点で住民票を抜くメリットとデメリットを理解して、
計画的に抜いて、節税しましょう。