賃貸経営というのは株やFXと違って毎月の家賃収入があるので比較的安定している投資スタイルです。
そのため、公務員の方の副業として人気を集めています。
ただ、株やFXは証券口座を開設すればあとはスマホ一つでスタートできますが、賃貸経営はと言うとどうでしょう。
スマホは大半の人が持っているにしても、最初から不動産を所有している人はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで今回は、これから賃貸経営を始めたいと思っている人向けの不動産購入の流れを一から解説していきたいと思います。
不動産購入の流れ
まず、不動産を購入するにあたり、
- 情報収集
- 不動産業者を探す
- 売買契約
- 引き渡し
- 賃貸経営
という一連の流れがあります。
順を追ってご説明いたします。
①情報収集
投資全般に言えることですが、なんとなくで購入する人が成功するとは考えづらいですよね。
ですので、購入する前にはインターネットなどで周辺環境を調査したり、実際に自分の目で建物やその周辺を見に行って情報を集めましょう。
実際に物件を見に行くとインターネットだけでは知ることができない部屋の中の雰囲気、たとえば、
- 日当たり
- 騒音
- 匂い
などを身をもって感じることができ、その物件の「安心材料」を得られます。
インターネット上のうまい言葉だけを信じて購入を決めるのは絶対にやめましょう。
②不動産業者を探す
自分が狙いを定める土地・アパート、この不動産を購入したいというところまできたら、それらの物件を扱っている不動産業者を訪ねましょう。
- 資金の準備方法
- どのように経営していきたいのか
- 目標はあるのか
などといった相談に乗ってくれます。
経営方針や資金の準備とった分からないことは、専門の方に聞くのが一番ですね。
ただ、賃貸経営を始めようとしている公務員をカモにしようとしている悪徳業者には要注意です!
契約する不動産を決める際にもその業者について情報収集をして、詐欺に遭わないようにしましょう。
③売買契約
今後の経営計画が決まったら、売買契約です。
売買契約では「重要事項説明書」の説明を受けます。
内容をよく理解したうえで「不動産売買契約書」にサイン、押印をして契約完了です。
ここで手付金を支払うのですが、購入する不動産の5~10%が相場でしょう。
契約をする前に金額と期日をしっかりと確認しましょう。
④引き渡し
契約が終わりました。
ここで残金の支払いや保険料や登記費用などがかかってきます。
事前にこれらの金額も確認して、支払えるように準備しておきましょう。
全ての支払いが終わり、購入した不動産のカギを受け取り、「不動産引渡確認書」を取り交わします。
これらが終わったらすべての手続きが完了となります。
⑤賃貸経営
上記を経ていざ不動産を取得したら、賃貸経営のスタートです。
入居者の募集から始まり、家賃収納の管理などなど…
しかし、ここからは公務員はしてはいけないゾーンに入ってきます。
その理由については、この記事内の「守るべきルール」の章でご説明します。
以上が不動産購入の流れです。
不動産の経営計画や資金面は不動産業者や金融機関などが協力してくれますが、どのよう物件、土地を選ぶかは自分自身で決めることになります。
この最初の段階をなんとなくで済ましては、後々
「やっぱり別のところを買ってれば良かった…」
なんてことになりかねません。
そのような事態に陥らないためにも、自分が納得いくまで比較・検討することをおすすめします。
最初の選定の段階を頑張れば、あとは不動産業者、金融機関、管理会社などの心強い味方がいます。
それでも、契約書などの書類は必ず目を通し、疑問に思ったことは解決していくようにしましょう。
そもそも公務員が賃貸経営をしていいの?
ー公務員が賃貸経営を許されている3大理由ー
副業が厳しく制限されている公務員が賃貸経営なんてしていいの?と思われるのも無理はありません。
どうして公務員でも賃貸経営をしてもいいのでしょうか?
その答えには、3つの大きな理由が関係しているんです。
その①:転勤などの住宅事情に対応するため
警察や教師、国家公務員などには転勤がつきものです。
そうなると、せっかく購入した家はどうなるのでしょうか?
転勤のたびに売却、また購入、売却するのは損失としか言いようがないですよね。
ならそのまま放置?
いえ、放置すると税金等が無駄にかかりますよね。
そんな損失を負わせられるのが分かり切っている職種なら、公務員なんてだれも目指したくなくなるのではないでしょうか?
そのため、転勤している間は賃貸物件として誰かに貸してもいいよ、としているのです。
その②:親族などから不動産を相続した
親が賃貸経営している公務員もいることでしょう。
親が亡くなったあとその賃貸物件はどうするのでしょう。
「公務員だから相続できないや…親不孝な子どもでごめんよ…」
いえ、そんなかわいそうな展開にはなりません。
親族の不動産を相続することもあるだろうからと、公務員の賃貸経営は認められています。
その③:保有していた不動産が売れず、賃貸経営にまわした
転勤だけでなく何かしらの理由で持ち家に住めなくなり、売却をする場面があるかもしれません。
しかし、売却したくてもすぐに買い手が見つかるとは限りません。
その間、その家を放置しているのはもったいないと考えるのは自然なことです。
ですので、住まなくなった持ち家を賃貸にするということも許可されています。
上記の理由から、公務員は賃貸経営することが許されています。
しかし、許されているからといって、調子に乗りすぎるのは要注意です。
公務員の賃貸経営には一定のルールがあります。
次にそのルールをご説明いたします。
賃貸経営を始める上で守るべきルール
その①:保有していいのは5棟10室まで!
人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用についてという規約の中で、
- アパート、マンションなどの棟数が5棟以上
- 部屋数が10室以上
に該当すると、それはもう不動産投資の範囲を超えて、「自営」つまり他に仕事をしているとみなされ、罰則の対象になります。
しかし、これは国が定めた規則です。
各自治体によってはこの制限を緩和しているところもあります。
気になった方は勤務先の人事課に問いあわせてみるとよいでしょう。
5棟または10室以上に不動産が拡大しても、届け出を出せば許可してくれる可能性があります。
その②:家賃収入は500万円まで!
これも前出の人事院規則に書かれていることで
「賃貸料収入の額が年額500万円以上である場合」は、これも「自営」しているとみなされます。
何も考えずに不動産を購入して、気づいたら家賃収入が年額500万円を超えていた!ということはないようにしたいですね。
ただし、このルールについても各自治体で独自に緩和しているところもありますので、確認してみることをおすすめします。
その③:管理は管理会社に任せよう!
アパート・マンションなどの経営には、
- 建物の維持
- 管理
- 清掃
といったことがつきものです。
「自分の保有しているアパートなんだから自分がしっかり清掃・クレーム対応などの責任をとらなきゃ!」
となっている人はいませんか?
その心配は必要ありません。むしろしてはダメなのです。
そのような大家さんのようなことをやっていると、それも「自営」しているとみなされるからです。
ですので、不動産を購入して賃貸経営をするときは管理会社に任せるようにしましょう。
ただ、管理会社に委託する「サブリース」という契約にもリスクはつきものです。
以下の記事でサブリースの注意点とリスクについて解説しています。
まとめ
今回は、公務員が賃貸経営を始めるための不動産購入の流れについてご説明しました。
公務員は賃貸経営を始める際、金融機関からの融資を受けやすかったりするので取り組みやすい副業であるとも言えます。
ただし、一定の規模の上限があることを忘れずに取り組みましょう。
情報収集を徹底し、自分の目で見て納得した物件を選び、悔いのない賃貸経営につながるようにしていきましょう!