公務員の方が始める副業の一つとして、賃貸経営が挙げられます。
- 家賃収入で資産を増やしたい…
- 毎月のお小遣いに潤いを…
と夢を抱いて始めようと思っている方がいらっしゃると思います。
ですが、必ずうまくいくとは限りません。何事にも失敗というものはつきものです。
そこで今回は、公務員の方が賃貸経営を始める上で気を付けなければいけないことを失敗例と注意点を交えてご紹介いたします。
賃貸経営にありがちな失敗(誤算)とは?
賃貸経営や不動産投資というものは、
- 物件の選定
- 経営計画
- 管理
など様々な課題を乗り越えなくてはなりません。
やはり、賃貸経営は簡単ではないのです。
一つ一つご紹介します。
①せっかく選んだ物件が空室だらけ
次は物件選定にまつわることです。
物件を持っていても、そこに入居者が入らないことには意味がないですよね。
物件選定の失敗でよくあるのが、ニーズを見誤るということです。
不動産にも様々なターゲットを狙って作られます。
- シングル向け
- ファミリー向け
といった具合です。
シングル向けなら繁華街や職場の近くが好まれ、ファミリー向けなら学校の近くや公園があるところが好まれるでしょう。
もしもこれが逆になったらどうでしょう。
- 遊びたい盛りのシングルの若者が郊外ののんびりしたところを選ぶでしょうか?
- ファミリー層が繁華街の近くや娯楽施設が目立つところに住みたがるでしょうか?
人によっては選ぶでしょうが、多数派のニーズでないことは明らかです。
ですから、物件を選ぶ際は現地に赴くなどして、自分の目で周辺の立地や環境を確認しておくといいでしょう。
そして、ニーズにあった物件選定をすることが大切です。
②税金で利益から結構もっていかれる
別の記事でもご紹介していますが、賃貸経営によって利益をあげるとそのままもらえるということはなく税金が課されます。
- 固定資産税
- 所得税
- 住民税
などがついてまわります。
これらを考えないでいると、物件を購入した費用を何年たてば回収できると思っていた計算に狂いが生じることもあります。
所得税は特に要注意で、所得税率というのは本業と副業の所得を合算した税率が適用されます。
公務員でいったら給与所得+賃貸経営による所得の計算式で得られた所得額に対する所得税率を、賃貸経営による所得に適用することになるので、
本業でそれなりに所得がある場合は、賃貸経営による利益がほとんどもっていかれるなんてことも…
このような事態を避けるためにも、先ほども出てきた物件選定の段階から慎重に行っていきたいですね。
③様々な場面で必要に迫られる修繕
人間がだんだんと老いてぼろが出てくるように、アパートなどの建物にも老朽化がつきものです。
この老朽化などの対策も、オーナーであるあなたが対処しなければなりません。
修繕の種類は大きく分けて3つあります。
・大規模修繕
これは、
- 外壁修理
- 機械設備の修理
- 給排水の修理
などがあります。
築年数がたてばたつほど外壁も色あせてきて、外観が古めかしくなります。
見た目が悪い物件と見た目が良い物件、同じ家賃なら多くの人はどちらを選ぶでしょうか?
答えは明白ですよね。
たとえば給排水の配管工事には100万円以上の費用がかかることもあります。
入居者のためにもケチるなんてことはできません。
そこで、多くのオーナーは毎月の家賃の5%ほどをこのような大掛かりな修繕のために積立しています。
しかし、老朽化というものは一気に来るものです。
大掛かりな修繕が立て続けにやってくることも考えて、積立以外にも万が一のときを考えて家賃を蓄えておく必要がありそうです。
・予防的修繕
これは、大規模修繕を未然に防ぐ意味合いが強いです。
壁にヒビが入っているのを発見した場合にはさらに大きくならないよう、そして見た目的にもあらかじめ修理したいものです。
そのほかに防水加工や、シロアリが壁の中などを食っていないか検査することもあります。
・空室対策の修繕
エアコンなどの家電、共用部分などが古いままだと入居者もいい思いをしないでしょうし、そもそも入居の契約がとれないかもしれません。
なので、多くのオーナーは
- エアコンの取り替え
- 共用部分の刷新
- 壁の塗り替え
などの修繕を行って入居者の満足度向上、あるいは新規契約獲得を図ります。
このように、オーナーは常に細心の注意を払って、時にはお金を出して建物や入居者をケアしていかなくてはなりません。
そうなると出費はかさむばかりです。
各種修繕が原因で、賃貸経営をすればするほど資金が逆に減るということもあります。
こうならないためにも考え抜かれた経営計画を建てる必要があります。
④賃貸管理は時間がかかる(公務員以外)
賃貸経営を行うということは、あなたはその物件のオーナー、責任者です。
ですから、責任をもって管理をしていかなくてはなりません。
例えば、あなたの持っている物件に入居者が入ったとしましょう。
「契約してくれてありがとう、あとは家賃だけ納めてね」
というわけにはいきません。
入居時の利用の案内
↓
トラブルやクレーム対応
↓
外観の清潔感を保つための清掃
↓
更新時の入居者への連絡・手続き
↓
退去時の立ち会いと家賃・敷金の清算
↓
新規入居者の募集
この繰り返しになります。
人がいようがいまいが仕事は常にあるのです。
ただ、公務員の方は別です。
公務員には副業に制限があり、賃貸経営のオーナー(大家)になることは認められていません。
上述したことを実際にやっていたら、自営とみなされ罰則の対象になります。
ですから、公務員が賃貸経営を副業にしたいのであれば管理会社に一任するしか方法はないでしょう。
公務員以外ですとデメリットになりますが、公務員にとってはメリットのひとつになるため、賃貸経営を副業にすることは公務員からの人気があるんです。
以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ご参照ください。
賃貸経営は時間とお金が必要!
賃貸経営によくある失敗をお話ししてきました。
まずは、立地や周辺環境、その不動産はニーズに適しているかなどを地道に考えぬく、物件を選ぶところから始まります。
物件を購入したあとも
- 建物の維持
- 管理
- 修繕
などで常に物件と付きっきりと言っても過言ではないため時間を要するでしょう。
そこをクリアしていっても、利益からとられる税金や突然やってくる修繕などなど、お金もかかるのが賃貸経営ということでした。
全員が上記のことをクリアできる保証のない投資です。
時には失敗して、資金繰りがきつくなることもあるでしょう。
まとめ
今回は、公務員が賃貸経営をしていくうえで覚悟しておきたい失敗例や注意点をお送りしました。
アパートやマンションを保有している人全員が黒字になるようなら誰も苦労も心配もしません。
もしそうなら、今ごろ賃貸経営をする人たちで溢れているでしょう。
現に賃貸経営に失敗する人だっています。
公務員である皆さんも、私は十分な計画を立てたから大丈夫!失敗しない!
とお思いでも、賃貸経営には物件と入居者を最初から最後までの面倒を見る覚悟が必要です。