人口が減少している日本においては、これからは空き家問題などが増えてくることはあっても入居者は減少してきますので、不動産価格は上がらず投資用の物件が活況することは少ないでしょう。
一方で、海外では日本の高度成長期のような勢いのある人口が増加している国々が数多くあります。→海外不動産投資 魅力度ランキング20
人口が増加している国や平均年齢が若い国では経済成長も活発で不動産価格も上がる傾向にあります。
そのため海外に投資チャンスがあるということで海外の不動産に目を向ける方も増えてきました。実際に海外の不動産投資で成功する方も年月を経て増えてきています。
その反面、安易に始めて失敗することや詐欺にあう方も同時に増加しています。実際にあった不動産投資の失敗事例や詐欺事例などをご紹介していきましょう。
海外不動産投資の失敗事例
不当な仲介料の上乗せする
海外不動産は現地へ出向いて自分で売主と交渉を行うと購入することができます。
その場合には、代理人や仲介者がいませんので、現地価格で手に入れることができます。
しかし、英語が話せないや現地には出向くのはめんどくさいなどの理由で実際に交渉するのは難しい場合もあるでしょう。
この土地の売買に関して日本人向けに不動産を売買する業者の中には、現地価格に不当な仲介料を上乗せして販売している会社があります。
上乗せ手数料が常識の範囲内であればいいのですが5割程度上乗せしている業者などもあり、日本人の投資家にとっては日本人から暴利を得ようとする悪徳業者になります。
悪徳業者は国内で海外不動産のセミナーを開催して不動産投資がいかに魅力的なものであるのかをセミナーを行い、「現地視察ツアー」と称してその土地のツアー企画を開催し、物件の購入を促すという手段に出ます。
悪徳仲介業者の場合、不動産投資の素人だとわかると
- 「この価格で買えるのはあなただけです。」
- 「来年は地価が暴騰するので今のうちに買っておきましょう」
と出資を促します。
何も情報を知らない出資者は仲介業者を信じて現地価格に不当な仲介料が発生しているにも気づかずに、この機会を逃すまいと大きな金額を簡単に仲介業者に支払ってしまいます。
少し時間を経て購入後に専門家に鑑定してもらうと取得金額が非常に高いことで利回りが悪くなっており、投資に見合わない物件となっていることがわかるということがあります。
物件価格を調べてみると約600万円程度だったものが、仲介手数料を400万円上乗せされて1000万円以上支払っていたということがわかります。
開発が予定されているということも嘘の情報で不動産の価格が上がることはありませんでした。
英語の話せない日本人投資家にとっては通訳などとして契約書の作成などの場合に仲介業者は情報も持っていて信用できると感じる人もいるのですが、
- 仲介料がいくらなのか
- 妥当な金額なのか
は比較と判断が必要になってくる要素です。
建物に対するトラブルが絶えない
建設中の投資用不動産を購入して工事の進展状況を楽しみにしていると・・・
- 建物がいつまでたっても建たない
- 建設予定が2年以上遅れている
- 業者と連絡が取れなくなった
など日本ではあまりないようなことが海外では頻繁に発生します。事前に管理会社やデベロッパーをしっかりと調査しておく必要があります。
その他には施工が雑であったために建物の老朽化が早く進み毎年必ず修繕箇所が出てくるなど修繕費がかさむことで、利回りに大きく影響することがありますので、新興国の不動産投資には気を付けましょう。
知見や経験のある不動産投資家が絶対に手を付けないような物件であっても、素人が見ると価値のあるものに見える場合もあります。
毎年赤字になって後悔する人も多いです。海外不動産に投資する前には海外不動産のプロに意見を聞くことが大切になってきます。
※サブリースという購入方法のデメリットについてはこちらの記事をご参照ください。→サブリース契約はトラブルが多いってホント?注意点とリスクについて
入居者が全く集まらない
投資物件を購入したはいいけれど、入居者が全く集まらないという場合もあります。
転売しようにも売ることができず、人に貸したくても借りてくれる人がいないという話が多いです。
客付けと呼ばれていますが、通常であれば現地の管理会社が行うものになります。事前に交渉段階で話をしておく必要があります。
自分で人集めをしなくてはならないことにもなります。仲介業者を選定するのも大切なのですが、管理会社がしっかりと管理を行ってくれるのかを確かめておく必要があります。
ここでのポイントとして、勧められた物件を購入すれば自動的に入居者が入ると思っていたと考える方もいるのですが、基本的には日本での不動産投資の場合と同様に、
- 立地
- 家賃
- 需要と供給のバランス
が大切になってきますので、借りたい人や買いたいという人がいなければいけません。
急速に発展する新興国では1.2年で街の様子が様変わりすることが多いです。
次々にショッピングモールやコンドミニアムなどが完成し、購入した物件がどんどん周りの環境にマッチしなくなる可能性もあります。
地域性を理解することも大切になってきます。販売会社では伏せられている情報もあるでしょう。
現地に出向いてその土地の様子などをしっかり観察して、人々の雰囲気なども体感することも大切です。
海外不動産に投資する場合には、国内不動産に投資する以上に需要を見極めることが必要になります。
実際にあった海外不動産投資の詐欺の事例
「フィリピンの不動産仲介業を通じて1100万円を支払い海外不動産を購入しました。以後はその不動産仲介業者から物件を管理してもらうようになっていましたが、2年たっても登記されませんでした。そんなときに不動産売り主の代理人がお金を持ち逃げしたと不動産仲介業者から連絡が入りました。不動産の売買契約自体も売主は知らず、お金を持ち逃げした代理人が勝手に話を進めたという話で、不動産仲介業者は売主に話をして不動産を売ってもいいというので、登記費用のみを負担してほしいといわれて断りました。どうしたらよいでしょう。」
という案件がありました。
最悪なケースになりますが、相談者はお金を取られただけで不動産も取得できませんでした。
不動産仲介業者のとの出会いは海外不動産投資セミナーということでしたが、結局はお金を持ち逃げされただけになってしまいました。
こういったケースにあわないためには、
- 情報の出どころ
- セミナー主催者の素性
- 主催会社の会社が実在しているのか
- 主催会社の信用など
を念入りに調べることが必要になります。また現地調査も必要です。
また、一人で勧められるままに購入するのではなく、客観的に判断してくれる第三者が間にいれば防げていたかもしれません。
- 不動産価格が適正であるのか?
- 中間マージンが多すぎではないのか?
- 投資に値する物件であるのか?
など海外不動産投資を行う上でチェックする項目がいくつもあります。
それらをすべてクリアしていないと出資をしてはいけません。セミナー主催者の多くは具体的な数字を質問すると答えてくれない場合が多いです。
少しでも怪しいと思った場合には、懇意にしている専門家に相談するといいでしょう。
第三者の専門家を選定するときには、投資助言業のライセンスを取得しているのかをしっかりと調べ、金融庁から認可を受けているのかを確認しておく必要があります。
セミナーでは海外投資がいかに魅力的なものであるのかというイメージは植え付けますが、具体的な数字については教えてくれないことが多いです。
情報収集が目的でセミナーに参加した場合でも、だれにも相談せずに出資することはやめましょう。
まとめ
海外不動産の投資市場では嘘であるかのような失敗事例や詐欺事例が多くなっています。→ノミニーは要注意!海外不動産への投資で最も重視すべきこととは?
国内不動産のようにいつでも行けるものでなく、情報量が少ない海外不動産の場合には地域の実態を把握することが重要です。
情報を持ってきた会社や人が信頼できるのかという信用や実績を入念に調べてから検討を行いましょう。
また、情報の出どころをしっかり掴んでから投資しましょう。