確定申告でFXの経費はどこまで認められるか

外国為替証拠金取引、通称FXは本格的な投資家、あるいはサラリーマンや主婦の方でも少額から取引できる点が魅力で、副業として人気があります。

投資家にとっては本業ですが、サラリーマンが行う場合には副業になります。この場合、

  • FXの利益はどのような制度で納税するのでしょうか。
  • 経費として計上できるものには、どのような項目があるのでしょうか。
  • 確定申告ではどのような所得として申告するのが正しいのか。

これからFXを始めようという方にとって非常に気になる内容ですので、これから詳しく解説していきます。

確定申告の重要性

まず、確定申告とはその年の11日から1231日までに得た全ての所得を計算し、申告書を税務署に提出し、納付する所得税額を確定させることをいいます。

しかし、一般的な会社員にとって確定申告は馴染みがなく、そもそも確定申告をすることがありません。

これはなぜなのかというと、会社員として確定申告の義務があるのは年間の収入が2000万円を超えている場合に限ります。

それ以下の収入の場合は業務主が代わって年末調整を行い税務署に申告しているからです。

会社の業務主は、給与、社会保険料、扶養控除や生命保険料控除などの情報をもとに年間の所得税を計算し、源泉徴収票としてまとめてくれているのです。

会社員として年収が2000万円を超える人がごくわずかですので、一般的な会社員にとっては確定申告の経験がないのです。

しかし、年収が2000万円以下の人も、FXの所得が年間20万円を超えている場合は、確定申告の必要があります。

また、個人事業主、フリーター、主婦や学生の場合は、年間所得が38万円を超える場合、確定申告の必要がありますので、FXの収入と足して、他の収入が合計38万円を超えるのであれば確定申告の必要があります。

最近は高齢者の方々もFXに挑戦する方も多くなっていますが、年金収入で生活している方にとって、FXの確定申告はどうすべきなのでしょうか。

公的年金収入が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下の場合、確定申告の必要はありません。

つまり、公的年金収入が400万円以下の方が、FXを含めての年金以外の所得が20万円を超えた場合は確定申告の必要があります。

公的年金収入が400万円以上の方は、他の所得にかかわらず確定申告の必要があります。

確定申告は国民の義務なので、上の条件に当てはまる方は必ず行うようにしましょう。

FXの所得はこの中でFXの利益から経費を差し引いた額に対して雑所得として税金がかかります。

税率は20%であり、例えばFXの利益が100万円、経費が10万円であれば90万円に対して雑所得の税率20%がかかりますので、18万円の納税義務が生じます。

また、会社員で年収が2000万円以下の人は、FXの所得が年間20万円を超えている場合は、確定申告の必要がある説明しましたが、FXの年間利益が29万円として、経費が10万円計上されれば、純利益は19万円となり、課税されないで済みます。

経費になるもの

確定申告では、ある仕事によって利益が出たとしても経費がかかればその分を差し引いて、そこに税金がかかるシステムになっています。

FXの例で具体的に説明すると、FXで得られた1年間の利益から必要経費を差し引いたものがプラス、かつ上の「確定申告の重要性」で解説した条件や金額に達していれば確定申告する必要があります。

例えば、1年間でFXでの利益が100万円出たとしても、必要経費が100万円あれば税金を払う必要はないのです。

単純に利益額をそのまま申告するのではなく、必要なものは経費として計上すれば、節税につながります。

では、具体的に経費として計上できるものって、どのようなものがあるのでしょうか。

何も経費なんてかかってないと思われる方が多いと思いますが、そんなことはありません、FX取引をするために必要なものであれば経費として計上できる可能性があるのです。

パソコン購入代金

FXの取引にはパソコンは必須ですので、購入代金として認められるものです。しかし、パソコンはFX以外にも多種多様に利用可能ですので、娯楽用途ではなくFX取引専用に使用していますということを証明する必要はあります。

プロバイダー、回線費用

FX取引を行うにはネット回線を持っていることは必須ですので、経費として計上できます。

これも、インターネットは別途利用目的が考えられますので、FX専用回線として説明する必要はあります。

FX会社による取引手数料や銀行振込手数料

意外なものがFX会社による取引手数料や銀行振込手数料です。

FXの運用の際には、FX口座会社に一定の手数料を支払うことで売り買いが成立します。ですので、この手数料も必要経費として計上できます。

証券会社で口座を開設して、口座に資金を投入するときに、銀行振込を利用すれば振込手数料がかかりますが、これも経費として認められます。

有料のFX勉強会やセミナーの参加費

 

有料のFX勉強会やセミナーの参加費なども、当然FX取引のためだけに使用していますので、経費として認められます。

資料代

最後に資料代も必要経費として計上できる可能性があります。

例えば、経済ニュースを知るための経済新聞、有料会員限定のニュース速報や経済アナリストの情報などです。あるいは、チャート作成ソフトの購入代やデモトレードの検証ソフトの購入代金なども経費として向上できる可能性があります。

大まかに代表的なものを紹介しましたが、ほかにも細かいものを経費として計上できる可能性があります。

なぜ、全ての項目に「可能性がある」という説明をしたかというと、実は納税の際の必要経費には明確に、これ、というガイドラインはないのです。

ですので、個々で税務署にきちんと説明するし、道義上経費として認められれば良いので、積極的に申告してみましょう。

経費にならないもの

以上、経費になるものを説明しましたが、極論すればFX取引に実際に使ったものは全て経費として認められる可能性があります。

逆に言えば、確実に必要なパソコンやネット回線なども、きちんと税務署に説明できなければ他の娯楽用途としても利用したと考えられ、経費として認められないということになります。

対策

「経費になるもの」の項目で解説したように、必要経費の概念は、かなり曖昧なもので、税務署や担当職員によって異なります。

しかし、道義上、経費として計上して良いであろう、というものでなければ当然認められませんので、申告書類を常識的な範囲で丁寧に作成することが重要です。

経費として申告した内容のもの全てに、なぜFX取引に必要なのかの根拠を明確に示し、税務署が納得すればそれでOKとなります。

そのために一番重要なことは、経費として計上するには領収書やレシートが必須ということです。

FXに必要な書籍を購入したとしても、その領収書に書籍名がなければ当然経費として認められません。

領収書はこういう理由で経費がかかりましたということを証明するために最も重要な証明書になります。

この際、注意すべきことは、宛名はあなたの名前にしてもらうことです。税務署に認めてもらうには重要なことですので忘れないようにすることです。

また、宛名を空欄にして、後に自分で書いてしまうと、税務署は筆跡も見ていますので、その領収書の信憑性だけでなく、他の経費として申告した項目も疑われ兼ねません。

丁寧に申告したとしても、それが認められなければ、控除対象とされないだけで罰則はありませんので、積極的に申告してみるべきです。

ABOUTこの記事をかいた人

岩井 隆史

投資家 大阪出身 両親が海外転勤が多かったため、幼少期から海外で生活。 日本と海外での働き方の違いを感じ、会社に依存しない生き方を提唱。 株やFX、不動産を中心に投資家として活動。