ノミニーには要注意。海外不動産への投資で重視すべきこととは

海外不動産に投資する際、どの国を選ぶのか」は重要です。

アジア圏の場合、ほぼ全ての国々が順調に経済発展を遂げています。

ここ10年間でみても、株価が3~4倍になっている国は、数多くあります。

ではその中で、どうやって「投資する国」を選べばいいのでしょうか?

まずはその点について、お話ししましょう。

私が最も重視しているのは「所有権が持てるかどうか」という点です。

日本に住んでいると「日本人であれ、外国人であれ、不動産を自分の名義で所有できるのは当たり前」という意識があるかもしれません。

しかし、ひとたび海外に目を移すと、「外国人が自分名義で海外不動産を所有できない国」が、実はたくさんあることに気づきます。

自分の名義で海外不動産を所有できない場合、いったいどうすればいいのでしょうか?

 

ノミニー現地人の「名義貸し」は危険!

所有権が持てない国では、現地人の名義を借りて投資をすることになります。

現地人の名義(ノミニー)で投資をして本当に大丈夫なのでしょうか?

ノミニーとは、海外法人を設立する場合、登記書類に自分の名前が記載されないようにするシステムで主に、インドネシアやミャンマーで海外不動産を買う方法として使われています。

よくあるのは、次のような例です。

「実際に話をしてみたら、現地人とは思えないほど、日本語が流暢だったんですよ!とても良い人で、お酒を飲みながら、すぐに意気投合してしまいました。『不動産に投資をしたい』と相談したら、『だったら、オレの名義を使えよ』と言うので、『彼なら信用できる』と思い、その人の名義で投資をすることにしました!」

かなり危険な兆候だと言えるでしょう。

日本人は「日本語が話せる」というだけで、外国人を簡単に信用してしまう傾向があります。

はっきり言って「日本語を話せる」というだけで安易に外国人を信用してはいけません。

いくら契約書に「この物件は、●●さんの名義ですが、本当は私の物件です」と裏書きをしたところで、法的にはほとんど意味を持ちません。

他国の裁判所で争ったとしても、優先されるのは自国民の利益ですから、外国人であるあなたに、ほぼ勝ち目はないでしょう。

不動産が値上がりした際「これはオレの物件だよ。何を言っているの」とノミニーの方にシラを切られたらおしまいです。

実際、新興国ではそうした形で不動産や会社を乗っ取られたりするケースがあとを絶ちません。

ですから、海外不動産に投資をする際「自分で所有権が持てるかどうか」という点は何よりも重視すべきなのです。

中国やベトナムが「投資対象外」の理由

こうした点で言うと、社会主義国である中国、ベトナムは投資対象から除外されます。

なぜなら、社会主義国というのは基本的に「私有財産」を認めていないからです。

こうした国々では、いつ政府に財産が没収されたとしても文句は言えません。

また成長著しいミャンマー、インドネシア、インドといった国々も除外されます。

ミャンマーやインドネシアでは外国人が不動産を個人所有することを認めていません。

またインドでは現地法人名義の不動産所有は認められているものの、やはり個人での所有は認められていません。

いきなり海外に法人を作るというのはサラリーマンの副業としてはハードルが高すぎます。

こうした国々も、投資対象としては除外せざるをえません。

このように考えると、実は投資対象がかなり限られてきます。

経済成長しつつ、さらに個人で所有権が持てる。

そうした国は、いったいどこでしょうか?

どの国に投資すべきか?

その点で私が注目しているのは、フィリピンです。

フィリピンには「コンドミニアム法」という法律があって、コンドミニアムの3割は外国人の所有が認められています。

これは個人名義でも日本の法人名義でもOKです。(ノミニー必要なし)

「外国人名義で所有可能」という点で言うと、マレーシアも候補に上がりますが、私はマレーシアへの投資はあまりオススメできません。

なぜなら、不動産がすでに過剰供給でゴーストタウンになっている街が散見されるからです。

シンガポールへの依存度が高いという点もネックです。

フィリピンは若い人が多く、人口ピラミッドの点でも申し分ありません。

日本の人口ピラミッドが逆三角形になっているのに対し、フィリピンの人口ピラミッドはキレイな三角形になっています。

2016年のGDPの伸び率を見ても、日本は1%程度ですがフィリピンは6%を超えています。

フィリピンではこれからも飛躍的な経済成長が期待できるでしょう。

またフィリピンでは、英語が公用語の1つになっています。

例えば、韓国語やタイ語などの言語は、文字を理解するだけでも一苦労ですが、どんな人でも、英語は中学から高校まで一通り勉強しています。

いくら「英語が苦手……」といっても、韓国語やタイ語よりは理解できるでしょう。

この点においても、フィリピンへの海外不動産投資は他国よりも優位と言えます。

日本の不動産は数千万円、数億円する高い買い物ですが、その点フィリピン不動産はワンルームだと300〜400万円くらいの物件が数多くあります。

プレビルドで頭金の30%を入れたとしても、頭金は90〜120万円くらいで済みます。

これくらいの金額の投資であれば、「自分でもできそうだ」と感じる方が多いのではないでしょうか?

こうした点を総合的に判断すると、私はフィリピンへの投資が、サラリーマンの副業として、最も効果的な手段ではないかと考えていますが、いかがでしょうか?

海外不動産「好条件のフィリピン物件」を買う方法

様々な観点から見てノミニーの必要ない、フィリピンのコンドミニアムに投資をしています。

では、その際、どういった視点で「パートナー」「デベロッパー」「物件」などを選べばいいのでしょうか?

次のコラムでは、私の実例についてご紹介するのとともに、具体的な海外不動産投資戦略について、もう少し踏み込んでご説明したいと思います。