投資をされている方にとっては馴染み深いワードである「株式投資」ですが、「言葉は知っているけれども実際にどんなことをするのかわからない」といった株式投資初心者の方に株式投資の仕組みについてご説明したいと思います。
そもそも株式って?
まずは株式投資の基本ですが、世間で一般的に話されている「株」という言葉は「株式」のことを表しています。
株式は株式会社が出資金と引き換えに発行する証券であり、発行された証券を保有することで発行先の株式会社の一部を所有することができます。
この株式会社を所有するという意味は
「出資金を限度にその会社に対して責任を持つ代わりに、業績が良い年は剰余金の配当を受ける権利を持つ。」
ということになります。
どうしたら株式を所有できるの?
一般の投資家は各証券会社を経由して株式の購入の注文をすることができます。
しかし、どんな銘柄の株式も購入できるわけではありません。
注文された内容に基づいて各証券会社は証券取引所という組織で株式の売買を行うため、その証券取引所に上場されている株式しか購入することができません。
日本国内だとみなさんの日常生活の中でも聞いたことがあるような大企業の株式は基本的に東京証券取引所や大阪証券取引所、名古屋証券取引所等の市場に上場されているのではないでしょうか。
このため、イメージとしては実際の株式の売買は取引所内の市場で行われ、証券会社は投資家の注文を代行する立場にあるという認識ですね。
つまり、一般的に株式投資をするにあたってはまず証券会社の口座開設が必須条件となり、そこから株式の購入注文や売却注文を出すことで株式投資ができるようになります。
どうしたら株式投資で儲かるの?
株式の保有方法がわかったところで、次は株式投資の本質である「どう利益を出すか」ということについてここでご説明したいと思います。
株式投資による収益は大きく分けて「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2点あります。
「インカムゲイン」とは・・・
株式投資におけるインカムゲインとは、株式を保有していることでもらえる「配当」のことをさします。
これは上述した通り、会社が1会計期間に得られた利益の一部を出資者である株式保有者に還元することですが、株式投資の魅力の一つとして「持っているだけで資産が増える」のはこのインカムゲインが発生するからなんですね。
ただし、配当をもらえる権利が発生するのは「権利確定日」に株式を持っている人に対してだけなのでこの「権利確定日」についてもう少し詳しく見ていきましょう。
「権利確定日」とは?
株式投資をするうえで「権利確定日」とは最重要ワードの1つです。
上述の株式を持っていることで得られる配当は、いつ株式を購入しても得られる訳ではありません。
ではその配当権利はいつもらえるのか、それこそが「権利確定日」であり、その日に株式を保有していれば配当を得られる権利を獲得します。
ただし、実は株式は購入注文が約定しても、当日に自分の資産にはなりません。
購入した株式が自分の資産になるのは注文が約定してから3営業日後となるため、例えば祝日がない週の月曜日に注文が約定となった場合、自分の株式になるのは木曜日ということになります。
加えて『3日後』ではなく、『3営業日後』であることも注意です。
証券会社によっては注文約定後すぐに保有資産一覧の中に購入した株式の銘柄が追加される場合もありますが、実際には3営業日後のため、配当狙いで売買をする場合は権利確定日に株式を保有するよう権利確定日の3営業日前(これを『権利付き最終日』と呼びます。)に購入注文を約定させなければなりません。
「キャピタルゲイン」とは・・・
株式投資におけるキャピタルゲインとは購入時から株式の価格の上昇によって売却時に発生する売買益のことを指します。
例えば、ある株式を100円で購入し、後日150円の価格になった際に売却したとすると差額50円が売却益となります。
ただし、反対に100円で購入した株式が後日50円になってしまい、売却をしてしまった場合は50円の売却損が出てしまいます。
株式投資の利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の合計
これまで見てきた通り、株式投資による収益は2通りありますが、この2通りの収益の合計が株式投資による儲けとなります。
インカムゲインにマイナスが生じることはありませんが、キャピタルゲインには上述の通り損失が発生するケースがあります。
ただし、株式投資においてはキャピタルゲインの損失があってもインカムゲインの収入が損失額を上回る場合、その投資を行うメリットはあるでしょう。
基本的な事項についてはここまでとなりますが、ここまで理解された方やそもそもこの基本的な話を知っていた方は「もっと実践的な話が知りたいよ」と思われるかもしれないので、
ここからはもう少し踏み込んで株式投資における
- 初期準備資金
- 損切りの重要性
- 確定申告の必要性
についてご説明いたします。
株式投資における注意点
初期投資資金を準備するにあたって・・・
株式投資に関わらず全ての投資を行ううえで、準備すべき資金は必ず余裕資金の中から捻出しましょう。
投資家初心者の中には不退転の気持ちを持って生活資金も全て株式投資に注ぎ込み、運良く物凄い収益を出した人もいて、メディアに取り上げられたりもしますが、そのような人は本当に特殊であり、大半の人は売り時を誤って大損を抱えてしまうパターンの方が多いです。
また、サラリーマンで株式投資をされている方は、どうしても本業の仕事があるため専業で投資をされている方より取引が後手に回るケースもあります。
このため、準備すべき資金はご自身の中で「倍以上になってほしいけど最悪なくなっても痛くないかな」と感じるくらいの金額にしましょう。
損切りの重要性について・・・
次に注意すべき点としては購入や売却のルールを事前に決めておくことです。
株式は毎日値動きがありますが、その要因の根幹は「需給バランスの崩れ」にあります。
取引所では様々な投資家が株式の売買を行っており、各々が自分の判断で購入や売却のタイミングを決めています。
また、最近では自動売買システムの開発も進んでおり、会社の決算内容や報道等の「ファンダメンタルズ要因」や、現時点でこの株式は買われすぎなのか、売られすぎなのかを判断する「テクニカル要因」を基に各投資家は注文を出しています。
このため、インカムゲインのみを目的に売買を行う人には関係ありませんが、キャピタルゲインを含むトータルの収益を目当てに投資を行う人はある程度値動きに対する自分なりの解釈ができるようになる必要があり、自分の購入根拠となった要因が崩れたときは早めに損失を確定させましょう。(これを『損切り』と呼びます。)
投資において重要なのは「いかに損失を小さくし、いかに利益を大きくするか」ということです。
特に株式投資は一回買ったらそれで終わりというものではなく、ある程度購入時の価格よりも直近の価格が上昇した場合は株式を売却して、その利益でまた他の銘柄を買うこともできるため、基本的には何度も売買を繰り返すことになります。
このため、全ての取引で勝たなくてもトータルで利益が出ていれば収入としてはプラスとなることから、何年も資金を塩漬けにするよりかはどこで見切りをつけて、他の株式に投資をすることが重要です。
利益が出たら確定申告も必要に
最後は利益が出た場合の確定申告について少し触れておきます。
株式投資を行うために開設した口座にもよりますが、現在主流である特定口座(源泉徴収あり)を作成した場合は利益を出した際に証券会社が税金額を源泉徴収してくれます。
その他のタイプの口座【特定口座(源泉徴収なし)や一般口座】を開設した場合は、サラリーマンなど給与所得のある方は20万円以上、専業主婦や学生などの扶養者は38万円以上の利益が出た場合は確定申告を行う必要があります。
最後に
このコラムを読んでいただいた方はこれから株式投資を始めようと考えていると思います。
株式投資は入り口で覚えないといけないことは多いですが、サラリーマンの方が副業・副収入のために投資されている方も多くいます。
基本さえ身に付けてしまえばあとはどの銘柄を買うか、もしくは売るかを考えるだけなのである意味単純です。
ぜひこのコラムを読んでいただいた方に「とにかくやってみること」をオススメしますが、株式投資の基本が掴めたらその次には一度立ち止まって「株式市場の動き方」を積極的に勉強してほしいと思います。
自分なりの利益の出し方が見えてきたとき安定的な収入源がもう一つ増えるわけですから、あなたの生活が更に裕福になるはずです。
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